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中世ヨーロッパ料理中心の民俗文化をお勉強&実践。ヒストリカル企画コストマリー事務局主宰をしながらご本を出したり監修したり。主に中世ヨーロッパの食文化・中世料理・民俗文化ネタなどをほぼ毎日投稿しています。たまに雑記あり。自投稿関連以外のリポストは原則行いません。心穏やかにご覧頂ければ幸いです。
Studying to medieval cooking,food culture, nature folk and more.
HP→ https://costmary.me
繻 鳳花@shuhohka
羊皮紙研究のスペシャリストでもある羊皮紙工房さんがお持ちのコレクションより、中世ヨーロッパの食に関係する零葉をご紹介します。
◆時祷書(1470年頃 フランス)
右側のボーダーに半円を描くように果物の「ぶどう」が描かれています。ぶどうはキリストの救いの象徴・または聖母の誠実さの象徴でもあると共に、ワインの飲みすぎによる堕落の意味も持ち合わせます。
堕落した人間が誠実な聖母に神への執り成しを願い、それにより救いが得られるようになる。まさにすべてを象徴する果物でもあるのです。
ぶどうは時祷書の挿絵にほとんど描かれることがない果物であるため、このタイプは比較的珍しいです。
昼頃から西の方の雲が黒くなってきたので、急いで用事を済ませて家に戻ったのですが、けたたましくたくさんの鳥の鳴き声が聞こえてきました。近くに小さな山があるので、おそらくそこからきたのでしょう。
そのうちすっと鳴き声が聞こえなくなり、その直後冷たい風が強く吹いたかと思えば滝のような豪雨と雷がやってきました。
今は気象予測精度も発達し、ある程度事前に天候の変化を把握することはできます。昔は当然そのようなものはなかったので、人々はわずかな自然の変化を読み取り、この先天候が変わるかもしれないと察していたのかもしれません。
自然が指し示す無言の警告は、時に無碍にしてはいけないものです。
清楚で涼やかな雰囲気を纏う、初夏のユリの花。
そこには小さな精霊たちが棲んでいるとされ、日中は花の中で休み、夜になると花を揺らし魔訶不思議な魔法を唱える、という言い伝えが残っているそうです。
中世ヨーロッパにおいてもユリは「聖母がもつ(または恩恵を得られる)花」として大変人気が高い花でした。ユリ独特の甘く強い香りは、さすがに料理の食材として使うことはなかったようです。
一方で傷を癒す軟膏の材料などにユリの根の部分を使っていたことがあったそうで、薬用としての役割ももっていました。聖母の加護を受けた花は心身の癒しの花でもあったのでしょう。
【雑記です】
少し前から某大手SNSで突然の投稿制限がかけられた影響なのか、このSNSでも日本語話者の方がだいぶ増えました。今回は断続的に影響を受けていることもあり、本気の移行を考えている方も少なくないようにお見受けします。
ほんの少し間、それまで依存していた「核」から離れるだけでも心身の穏やかさを取り戻すことはできます。外から客観的に見ることで、いかにその「核」の中で自身の感情を意図しない方向へ掻き回されていたことに気付かされる方も少なくないでしょう。
皮肉にも、今回の一件で各SNSとの付き合いを改めて考え直すよいきっかけになっているというのも、また時の流れなのかなと感じております。
毎年、5月末頃を目途に中世ヨーロッパ料理の試作検証で使う小麦や塩、砂糖などの主要食材の余りを一斉に整理しています。毎日試作をしているわけではないので、中には長らく使わない食材もあります。それらを一度すべて使い切り、新しい種類を買い足します。
一番よく使う小麦は大量にストックするので毎回あまりがちになります。パンを焼いてもいいのですが、サクっと食べられるようほぼすべての粉をスコーンの生地にして焼き上げ、好みのジャムやクリームでいただいています。
オーブンを使った中世料理は比較的低い温度で長く焼く特性があるのですが、スコーンは高温で一気に焼くので気持ち的にも焼いた!という感覚になるものです。
初めて修道院菓子を頂いたのは「ポルボロン」というアーモンド粉を使ったホロホロとした食感の焼き菓子でした。お菓子教室の先生がたまたま勧めてくれた一品でした。
口に入れた時のとても懐かしい、素朴な味がとても印象的だったので少し調べてみたら、700年以上も前から伝わり続けている一品ということが分かりました。
当時飢饉や戦争の影響で食材が乏しく、民衆は近くの修道院に食料を求めてきたそうです。その時、修道院の食糧庫に残されていたわずかな食材だけでその焼き菓子を作り、人々に施したという説があります。
多くの命の救うために作られた小さな菓子。素朴な味を変えることなく今も私たちの心を満たしてくれています。
拙著商業作品「中世ヨーロッパのキッチン(新紀元社)」に収録されている『野花のパンケーキ』。中世後期・イタリア方面の料理指南書に作り方が残されています。
パンケーキという名称ですが実際はフリッターに近いもので、季節の野花や食用ハーブを生地に加えて揚げるというシンプルな料理です。砂糖やハチミツをかけていただくとちょっとしたスイーツにもなります。
中世ヨーロッパ料理は資料系の本で簡単に説明されることが多いこともあり、とても地味というイメージが強いです。ただ実際に作ってみると想像以上に華やかにできあがる一品も少なくありません。
直接ご覧頂く機会がもっとあればいいなと、日々思いを馳せています。
【最近当アカウントをフォロー頂いた方へ】
数多くの中からご興味を持って頂き、誠にありがとうございます。
当アカウントは中世ヨーロッパ各地域の食文化や料理指南集から試作検証した中世料理の簡単な解説、その他当時使われた薬草(ハーブ)や口伝で語り継がれている各種伝承話や魔除け・おまじないなどをご紹介しています。
更新頻度はほぼ毎日、上記テーマをランダムで取り上げています。本や文字の記録だけでは分からない、「実際に自分で経験・体験した実践検証の感想」もできる限り添えるようにしております。
つたない投稿ではありますが、今後も確実に伝えられる場で心穏やかにご覧頂ければ幸いです。
【公式通販サイトからのお知らせ】
6/12(金)まで、当通販サイトで取扱中の発送可能全同人誌・雑貨の送料無料キャンペーンを行っております。6/13から1か月ほど通販サイトは休止となります。よろしければぜひご利用下さい。
公式通販サイト Moyan Petot→ costmarymoyan.shop
『本は独特の匂いがある。時には少しカビ臭さも感じるが、それがよい。パソコンやインターネットから得られる知識は豊富だが、質感や手触りを感じ取ることはできない。
もし知識が未来永劫に守られるものであれば、それは実際に手に触って触れられるものでないといけない。そして、その知識は匂いを感じ取れるものでないといけない』
先日死去された俳優が演じた、元図書館司書の言葉です。
古の時代から知識は文字や口伝、伝承などで代々守られてきました。インターネットやSNS・AIは簡単にその知識を教えてくれますが、五感をもつ人間にとって「本当に必要な知識の守り方」というのは何か、今一度考えた方がいいなと思いました。
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