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児玉さんもだし、藤原季節さんのお話がすばらしく、というかおふたりでの話が本当にすばらしいので、聞けるひとは聞いてください
うんうん、『his』に複雑な感情を抱えている人がいることも、うん、知ってます。わかってます。目の前に出演した俳優がいるので前のめりで否定的なことを私はあの時言わなかったけど、藤原さんが「あんなに苦しい必要あったのかな」って放送の中で言っていましたね。私はそれをやっぱり『怪物』に対しても思ったんだよな。藤原さんは出演作に対して熱い愛情を持っていると同時に、冷静な批評眼もあることが今回よくわかりました。
映画のなかにあるクィア表現をめぐる対談で、最後には互いが互いに好印象を述べ合って締めくくられており、聴いているこちらもなんだか嬉しくなるような。50分間だった。今泉力哉監督の『his』、山中遥子監督の『ナミビアの砂漠』、是枝裕和監督の『怪物』などについて触れられている。聴き逃し配信は6月22日(月)22:55まで。
【聴き逃し】ウチらと世界とエンタメと 児玉美月 × 藤原季節 www.nhk.or.jp/radioondeman...
振り返れば主演二人の演技自体は素晴らしいものがあるし、後にお二方がセクシュアル・マイノリティ、またそのコミュニティに対して見せてくれた姿勢には勇気づけられるものもあって、あの作品を通して発見できたことへの感謝は大きい。
同時に藤原さんが仰るように苦しい姿は想像よりも強く描かれるし、子どもに関わる仕事をしていた自分には色んな視点が欠けているようにも感じられる。また後半の展開はハッピーエンドのようだけれど必ずしも私たちリアルなクィアにとってのリアルとはどうしても感じられない。
自分の中では苦しい印象ばかりになりかねなかったところを救ってもらえたような対談でした。
これを読んで、ちょっと救われた気分になった。
わたしはたまたま公開したばかりのタイミングで武蔵野館で『his』を観て、監督も来ていたのでパンフにサインまでもらった。
けれどしばらくして振り返ったとき、監督の映画に対する向き合い方や『his』自体のクィアの描き方に関して、個人的にはかえって苦しさを感じてしまうようになり、映画体験そのものを記憶の奥に押し込めていた。
児玉さんがさいきん藤原さんの話をする中でどうしても『his』のことは頭によぎってしまい、素直に受け取れないでいたけれど、そこにつっかえていたものが取れかかったような気持ちになっている。
あの頃は洋画ばかり観ていた自分がまだあまり名前の知られぬ若手俳優が出ているようなミニシアター系の邦画を好むようになっていた時期で、その流れで今泉力哉監督作もけっこう観ていたのだった。
ただその今泉監督が次々に若手俳優を起用する感覚、あるいは特別ではない、強いドラマに見せないリアルさを描くという感覚とクィアは相性がとても悪く感じられて、とりわけ当時「透明感」が枕詞のようになっていた宮沢氷魚さん、まっすぐで飾らない演技の評価が高かった藤原季節さんの起用が、後になって“クィア映画らしさ”を非常に強固にしているように感じて、まずその辺りから苦しくなってしまった。