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『ウチらと世界とエンタメと』後半も最高だったんだけど、前半の児玉美月さんと藤原季節さんの対談が信じられないくらいよくて胸いっぱい……
藤原季節さんが演技や作品の鑑賞を通して自分とは異なるかもしれない立場に想像をめぐらせ、学び続けていること。その姿勢から、誰もがまっとうに生きる権利や尊厳があることついて真摯に不断に考えていることがバシバシ伝わってきて本当にすごかった。
https://www.nhk.jp/p/rs/6V9KZW73VV/episode/re/663PYP59Y3/
映画のなかにあるクィア表現をめぐる対談で、最後には互いが互いに好印象を述べ合って締めくくられており、聴いているこちらもなんだか嬉しくなるような。50分間だった。今泉力哉監督の『his』、山中遥子監督の『ナミビアの砂漠』、是枝裕和監督の『怪物』などについて触れられている。聴き逃し配信は6月22日(月)22:55まで。
【聴き逃し】ウチらと世界とエンタメと 児玉美月 × 藤原季節 www.nhk.or.jp/radioondeman...
あの頃は洋画ばかり観ていた自分がまだあまり名前の知られぬ若手俳優が出ているようなミニシアター系の邦画を好むようになっていた時期で、その流れで今泉力哉監督作もけっこう観ていたのだった。
ただその今泉監督が次々に若手俳優を起用する感覚、あるいは特別ではない、強いドラマに見せないリアルさを描くという感覚とクィアは相性がとても悪く感じられて、とりわけ当時「透明感」が枕詞のようになっていた宮沢氷魚さん、まっすぐで飾らない演技の評価が高かった藤原季節さんの起用が、後になって“クィア映画らしさ”を非常に強固にしているように感じて、まずその辺りから苦しくなってしまった。
振り返れば主演二人の演技自体は素晴らしいものがあるし、後にお二方がセクシュアル・マイノリティ、またそのコミュニティに対して見せてくれた姿勢には勇気づけられるものもあって、あの作品を通して発見できたことへの感謝は大きい。
同時に藤原さんが仰るように苦しい姿は想像よりも強く描かれるし、子どもに関わる仕事をしていた自分には色んな視点が欠けているようにも感じられる。また後半の展開はハッピーエンドのようだけれど必ずしも私たちリアルなクィアにとってのリアルとはどうしても感じられない。
自分の中では苦しい印象ばかりになりかねなかったところを救ってもらえたような対談でした。