デュラス「大蛇(ボア)」山田稔訳
あるフランス植民地にて、毎日曜幼いわたしは大蛇が若鶏を丸呑みする姿を見物しに行く。その後にいつも、老いた寮母の一度も使われなかった裸を見せられる。
インモラルで退廃的で、どこか腐臭ただよう作品。鶏を消化する長きの嚥下のなかに未来をみて、寮母のおぞましい趣味に後悔の嚥下を思い、やがては売春宿が処女喪失の神殿として夢想される。メランコリックな文体に眩暈さえおぼえるが、これを語るわたしの時制を思うことで、また嚥下された世界の残酷さに宙吊りされる。
#云日一短編
ねむる