『鉄の踵』読了。言われているほどSF的ではなく、労働問題と『資本論』を娯楽小説に仕立てるために、近未来のアメリカにおける革命と内戦を語ったものと解するべきだろう。「ジャック・ロンドンといえばこの本」とは言えないが、一読の価値はあるし、ロンドンの思想を知るには欠かせない作だ。
自分としては、作中にH・G・ウェルズへの言及があるのが興味深かった。ロンドンのSF的な短編はウェルズに触発されたのかも、という気がしていたのだが、可能性が少しとはいえ高くなったように思う。
Katz@PanTraductia
ロンドンが書きたかったことが少しずつ見えてきた。これは娯楽小説版『資本論』入門か。マッカーシズムの時代に禁書にされたことにも納得がいく。
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ロンドン『鉄の踵』は、労働と経済のエンタテインメントである。面白いが、日本ではなかなか注目されづらいことだろう。不運にも新樹社版の訳者はエンタテインメント性に気づかなかったようだし。
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ロンドン『鉄の踵』はなかなか進まず、図書館に延長をお願いに行ったら、システム改良のため6月いっぱい休館のため、自動的に延長されていた。経験上最長の貸し出し期間になった。なかなか進まないのは翻訳が硬いのではなく、ときどきズレているからだろう。
SFと紹介される作だし、設定は当時の近未来だが、前半四分の一は労働問題を巡る議論に終始している。もちろん娯楽小説として面白い。「獰猛なる野生児」のボクシングを議論に置き換えたよう。あるいは山崎豊子『白い巨塔』の後半、医療過誤裁判の再審場面のようだ。
Katz@PanTraductia
ジャック・ロンドン『鉄の踵』の翻訳が論文みたいで面白くない、という書き込みをどこかで見た。たしかに、女性の一人称としては固い訳文だ。だが、第一章からして、理論と実証との議論が格闘技さながらで、実にロンドンらしい。