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『Mixtape』終わった。そして、ノイ村さんのテキストを「ふんふん!」とうなずきながら読んだ。チーズバーガー!チチチチーズバーガー!!!
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ヨージロ
ブログ更新。『Mixtape』を1時間ほど遊んで、「早く続きがやりてぇ」と思いながら書いた雑記。
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※以下のテキストは『Mixtape』を1時間ほどプレイし、「早く続きがやりてぇ」と思いながら休憩時間に憂さ晴らしのために書いたもの。 最初に『Mixtape』のトレーラーを観たのは、確か去年くらいだったのかと思うのだけど、その時点で期待値は高かった。なにせエレキギターを弾いた瞬間に世界が一変する様を堂々と描いた『The Artful Escape』のチームによる最新作である。 とはいえ、アメリカを舞台としたはみだし者のティーンエイジャーを中心とした物語を、80年代~90年代のノスタルジア(カセットプレーヤー!スケートボード!!スマッシング・パンプキンズ!!!)やポップ・カルチャーでコーティングした作品というのは、そりゃあ好きだけれども既視感がありすぎるし、ゲームにおいては「手触りの良さ」を重視する立場としては、「とはいえゲーム・オブ・ザ・イヤー級の衝撃はないだろう」と高を括っていた。私はもう『ストレンジャー・シングス』、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』や『レディ・バード』、『mid90's』を観ていて、こうした題材は映画やドラマの独壇場だと思っていたし、いわゆる「ナラティブ」に重きを置いたゲームの多くが「表現は最高だけど、遊んでいるうちに眠くなっちゃうんだよな」というのは、ずっと頭のどこかに引っかかっていたのである。 そんなわけで、発売直前にメタスコアが今年最高得点を叩き出している様子を見ても、まずはサブスクリプション・サービスのXbox Game Pass(最近月額料金が元に戻ったので再契約した。それはそれとしてマイクロソフトは嫌いである)経由で『Mixtape』をダウンロードして、様子を見ることにしたのだ。 結論としては、起動して「開始」ボタンを押してから、わずか1分程度で完全に心を掴まれた。5分後にはSteamに直行し、現在進行系でXbox Game Pass版をプレイしているのに「俺の金を受け取ってくれ!!」と購入ボタンを力強くクリックした。一行目の台詞というのはいかなるメディアにおいても重要だが、このゲームが何を伝えたいのか、何のためにあるのかを端的かつ予想だにしなかった形で示したテキストと、その文脈をスマートかつ鮮やかに描いた映像・音楽表現は、その場で2000円弱を投げ捨てるには充分すぎるほどだった。 とはいえ『Mixtape』はゲームである。果たして、ゲームプレイはどうなのか? Devoの楽曲に合わせて自然に満ちたアメリカの住宅地を軽やかにスケートボードで失踪するのが、最高じゃないわけないだろう。もちろん、スケートボードのメカニクス単体で見れば「トニー・ホーク・プロスケーター」シリーズの手触りには遥かに及ばない。だが、『Mixtape』はスケボーゲームではないし、リッチに描かれた木々が猛スピードで後ろに消えていくなかでオーリーをバチッと決める爽快感はしっかりと表現できている。何より、「トニー・ホーク・プロスケーター」は「That's Good」のクラップに併せて手拍子をしてはくれないじゃないか。 そもそも、スケートボード自体はゲーム全体におけるあくまで一部分しかない。その数分後には、「最高に気持ち悪くて吐き気を催すような、でもこれが良いって聞いたからやっている」としか思えない“ゲーム化された”主人公のファーストキス(回想シーン)をプレイして爆笑しながら「こいつはクレイジーだぜ」と確信した。容易にミームとして流されそうなこの場面だが、完膚なきまでにグロテスクに仕上げられたことによる「キモすぎるだろ」という目の前の光景を、コントローラーを操作した時の結果が面白くてつい触ってしまう「インタラクションの魅力」が上回る感じは、まさに当時の主人公の心境とも合致するものだろうし、ゲームという表現手法でなければ描くことのできないものだ(後に見せる、クィアなロマンスの光景は、ここでの露悪的な表現よりもずっと繊細に描写されていて、その点も興味深い)。 トレーラーの時点では『Mixtape』を「カットシーン多目のウォーキングシミュレーターにちょっとミニゲームを加えた感じ」と想像していたが、実際にはミニゲーム(的な場面)の割合はかなり多いし、プレイヤーが飽きる前にとっとと終わらせて次の場面へと行ってしまう。物語の展開に併せて矢継ぎ早にゲーム自体が変貌していく様子は、例えば『It Takes Two』を彷彿とさせる(内容のクレイジーぶりも同様だ)。カットシーンの構図や演出などを含めて、その手際には一切の無駄がなく、ユーモアとシリアスのバランスも素晴らしい。 それは、主人公の性格や嗜好とも合致するものだろう。なにせ、このゲームの主人公は、間違いなくDevoを世界で一番格好良いバンドだと思っている。これがいかにクールなのかは言葉に尽くせないほどだ。自分だって音楽は好きだが、そこまでのクールさは持ち合わせていない。Devoといえば知的で、ユーモアに満ちていて、今聴いても色褪せないほどにポップでクールなバンドだが、そのセンスがしっかりと『Mixtape』全体を貫いているのである。 だが、同時に選曲の方向性は、必ずしも尖ったセンスやノスタルジアに依存していないというのも特筆すべき点だ。トレーラーから受ける印象とは異なり、実際にゲーム内で使用される楽曲の年代やジャンルは幅広く、80~90年代以外からも幅広く楽曲が起用されている。特に60年代のとある名曲が使用されるシーンは、そのゲームプレイも相まって(Discord上で知人に見せながら遊んでいたのに)言葉を失ってしまうくらいには感動してしまった。 それもそのはず。主人公の夢はミュージック・セレクター(映画などに適切な楽曲を選曲する職種)であり、自身の好みを土台としながらも、その目的はあくまで「この場面を引き立てる、最もベストな選曲は何か?」を考え、大衆を満足させることにある。自分の好みを押し付けるだけでは成立しないのだ。ノスタルジアはあくまでスパイスであり、ここぞというところで効かせるのがプロの仕事というものである。実際、(そもそも世代ではないのだけど)私がプレイしていて「あの名曲が!」と興奮するような場面は絞り込まれており、「初めて聴いたけど、なんて良い曲なんだ!」という発見の方が遥かに多かった。しかも、その感覚はゲームプレイとしっかりと合致しているのだから、驚くほかない。 というわけで、『Mixtape』はマストプレイだ。まだ1時間しか遊んでいないけれど、この感覚が完全に台無しになってしまうことは流石にないだろう。 高評価ゲームの通例として、(昨年の『Clair Obscur: Expedition 33』がそうだったように)きっと間もなく『Mixtape』は逆張りSNSウォーリアーや、「プレイしない理由を見つけるためにネガティブな意見を探してしまう」人々の餌食となってしまうことだろう。というわけで、こんなテキストなんか読んでないで遊んでほしい。合わなかったら仕方がない。今考えているのは「とっとと帰って続きをやりたい」ということだけである。
neu-mura.com
Mixtape
ノイ村 / neu_mura