#花のをすくに
[弐、または梔子]#12|雨不自由
号が樹海で見たものを伝えたことから、事態は動き出します。育乃と森之進の夫妻、森之進と克生。彼らが語る〝口無し様〟とは何か。90年代びわ湖湖畔で送る、ジャパネスク浪漫ホラー!
#創作大賞2026
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十二 兎を追い、草を刈れ 夕暮れを控えて、帰夫妻は居間で顔を見合わせていた。壁には森之進と育乃のツーショット、娘の美登里を加えた家族写真がいくつも飾られ、育乃が作ったフェルト人形などの手芸小物が目立つ。 代々どうだん稲荷の神職を世襲する帰家は、祭原の本邸よりは小さいものの、年季の入った日本家屋だ。黒光りする梁や柱は、百年以上も変わらない重厚な佇まいを見せている。 同じ木と紙の家屋であり...
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雨藤フラシ(肉球)